国立弘前大学植物学研究室の加藤陽治教授(現=弘前大学副学長)とオリジン生化学研究所の所長であり農学博士の前田浩明博士の出会いがオリザロース開発のスタートとなりました。加藤教授は糖質の領域における国内屈指の研究者で、「平成19年度日本応用糖質学会 学会賞」を受賞されておられます。
一方の前田博士は健康食成分の研究で30年以上の実績を積み上げられておられます。そんなお2人は「ヘミセルロースのパーティサイクルの構造決定研究」で知り合われました。
弘前大学は地域共同開発センターを擁し、産・学・官のエネルギーを結集させた、青森県の農産物資源の高度利用と工業技術の振興を図っています。当時、そのセンタ−長を務められていた加藤教授のグループでは「紫黒米を用いたGABAを豊富に含有する食品の製造方法」に関する研究をしており、そのパテント(特許)を取得していました。
現在、多くに方々が摂取されている「オリザロース」の基本的な製造方法は、弘前大学とオリジン生化学研究所の共同研究によって開発された“進化型食品”というわけなのです。
「オリザロース」はオリジン生化学研究所の登録商標ですが、弘前大学発の最初の機能性食品として脚光を浴びております。そして、現在も弘前大学とオリジン生化学研究所の共同体制は維持されております。
オリザロースとは
オリザロース(Oryzalose)とは、(株)オリジン生化学研究所の所有する商標で、(株)オリジン研究所が国立 大学法人 弘前大学と共同開発した、古代米の米ぬかに由来するオリゴ糖複合物です。「オリザ」はラテン語で「コメ」を意 味する学術名。コメ由来のオリゴ糖の意味合いで「オリザロース」と命名されました。
コメの果皮はセルロース、ヘミロース、ペクチン、ポリフェノールで構成されており、いずれもお米の命を護っている成分ですが、通常は除去されて糠となります。そしてこれらの成分は植物繊維に分類されます。これらの成分の中で最も強い生理作用が期待できるのがヘミセルロースです。
セルロースがブドウ糖のみで構成されているのに対し、ヘミセルロースはアラビノース、キシロース、ガラクトース、グルコース(ブドウ糖)、マンノース等から構成されている大変複雑な糖の鎖です。
しかし、未だこの成分の役割は十分に解明されていませんが、胚芽の周辺に(特に額)に分布していることから考えると、コメの生命維持に重要な役割を演じていることが想像されます。
ヘミセルロースは摂取することにより植物繊維として、便通や糖質代謝の改善をすることが期待できますが、それ以上の作用は期待できません。そこで酵素を用いてヘミセルロースを加水分解し、糖の鎖をほどき、細断することによって消化管を通過してゆく際に生体との親和性が高まり、生理作用が高まると考えられました。
これこそ植物繊維からオリザロースへの変換です。オリザロースはヘミセルロースが細断されて生成された低分子アラビノキシラン、アラビノガラクタン、アラビナン、アラビノキシロガラクタン等の糖鎖の複合物で、元々ヘミセルロースでは発現しない免疫細胞の活性化作用を有しています。
冊子掲載
発酵古代米(NPO法人 日本臨床植物機能研究会編)−なぜヘミセルロース誘導体は免疫機能を高めるのか
「おわりに(抜粋) …植物の成分は多くの薬剤のように単純ではありません。そして消化管の中で刻々と変化しています。ですから『どのような成分が、どのように効くか』というエビデンスをそろえることは優しいことではありません。しかし多くの学術的報告から、ヘミセルロース誘導体を一定量、一定期間摂取することによって、何らかの生体反応が起こることは間違いありません。特に発酵古代米の主成分、低分子ヘミセルロース誘導体(オリザロース)は少ない摂取量で、免疫反応に影響を与えることが報告されています。高齢者の質の高い健康度の維持や病気の回復時に養生の手段としてオリザロースが広く応用され評価されるものと思います。」
帯津良一(医学博士 NPO法人日本ホリスティック医学協会会長・帯津三敬病院名誉院長)
日本におけるホリスティック医学の重鎮。癌の患者さんに対し、肉体的、精神的治療を施されています。漢方薬とホメオパシーが治療の中心であり、気功、太極拳で生命の場を高めることにより生命力を高め、治癒力を向上させておられます。
先生はオリザロースを大地のエネルギーを患者さんに伝える手段として用いられており、その結果、免疫力が強化され、治癒力を向上させると常に言われております。「患者さんの間で最もリピート率が高い」というのがオリザロースに対する帯津先生の評価です(以上、「発酵古代米(NPO法人 日本臨床植物機能研究会編)」からの抜粋)。